「さしすせそ」の話 番外編~油~
2021.08.12
今日は、「さしすせそ」のお話の「番外編」
「油」についてお話してみたいと思います。
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さしすせその
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今回の内容はこんな感じ。
①アブラカタブラ「油」学。
②トランス脂肪酸ってなに?
③圧搾一番搾りがなぜいいか?
結論から言うと、「いい油を摂りましょう!」ってお話です。
①アブラカタブラ「油」学。
( ´艸`)スミマセン、へんなタイトル下りてきました。
アブラと言えば、字は「油」ですが、
こちらも「脂(アブラ)」です。
あれ?
違いはなんだろう?
「油」は常温で液体のもの、
「脂」は常温で固体のものを表しますよ。
あー、確かに!
「油」は「さんずい=水」を表しますし、
「脂」は「にくづき=動物」を表しますものね。
脂は、動物性ということになりますね。
二つ合わせて「油脂」です。
油の歴史は、とっても古くて
古代エジプトでピラミッドに痕跡が認められ、
日本では、日本書紀(3-4世紀)に植物性油の記述があるそうです。
ゴマやえごま、綿花油などから搾り取った油は、
とーっても貴重なものであり、
ほぼ灯油(ともしびあぶら)として利用されていました。
えっ!?灯(あかり)用??
そうなんですよ。
行燈(あんどん)の油でございます。
夜な夜なキツネがチビチビなめるやつ。古っ!!
実は、食用としての歴史はとっても浅いのです。
江戸時代に生産・消費が大きく伸びたとはいえ、
食用の比率はとても低く、
一人当たりの(灯・食用合わせて)年間消費量7Lほど…。
大正時代に大規模な製油工場ができ、
昭和になって洋食化が加速し、
油の消費が増えていきました。
現在は、食用だけで約8L弱/1人の消費量となっています。
長ーい歴史のうちの、
ほんの短期間でのものすごい伸び率だとわかりますよね。
②トランス脂肪酸ってなに?
最近、トランス脂肪酸の害について耳にしませんか?
トランス脂肪酸について、少し解説していきましょう。
化学的に説明すると、
油脂は、脂肪酸、グリセリンの化合物です。
脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸に分けられます。
聞いたことあるかな?
飽和脂肪酸は、主に動物性。
不飽和脂肪酸は、主に植物性脂肪に多く含まれます。
さらに不飽和脂肪酸には、分子レベルの配列が「シス型」「トランス型」があり、
そのトランス型をトランス脂肪酸といいます。
うーん、頭が混乱してきましたね。
え?でもでも、
植物性脂肪の方なら、身体にいいんじゃないのかなぁ…
大切なのは、このトランス脂肪酸は
天然のものにはほとんど存在しない!ということ。
「加工された油」に多く含まれています。
「加工された油」とは、、、
植物油や魚油を原料に、常温で半固形~固形に加工するために、
水素を添加して作られる人工油です。
食品でいうと、
「マーガリン」「ファットスプレッド」「ショートニング」。
そして、それらをつかったケーキ、パン、ドーナツなどの洋菓子、
外食産業やファーストフードの揚げ物など。
無味無臭で、「さっくり」「パリッ」と仕上がるのが特徴です。
何が悪いかというと、
悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を進め
心筋梗塞や脳梗塞の危険性を高めます。
その他、
免疫機能の低下、
アレルギー疾患の増加、
発がん性のリスク、
認知症・糖尿病
などの関連が疑われています。
現代病のオンパレードではないですか。
諸外国では、その危険性は早くから指摘されていて、
デンマークでは、2003年に使用禁止、
アメリカのニューヨークでも2007年に、
トランス脂肪酸を含む油脂の使用が禁じられています。
日本では、2021年になっても使用や表示の義務付けがありません。
大企業の利権の問題でしょうか?
なので、
ここ日本で安全な食品を摂取するためには、
消費者が賢くなる他ないのです。
お手軽なスナック菓子やケーキ類、
ファーストフードやコンビニ弁当、
もっと言えば、
コス〇コのケーキとかさ(*´Д`)
マッ〇のポテトとかさ”(-“”-)”
クリームたっぷり、ふわトロデザートなどなど、
トランス脂肪酸まみれなんです。
こういう便利で安い商品には、手を出さない努力が必要です。
まずは、品質表示を見て比べる、そんな癖をつけましょう。
③圧搾一番搾りがなぜいいか?
こちらは(写真はHPより引用)、
熊谷市にある米澤製油(株)さんのなたね油。
昔ながらの圧搾一番搾りで作られています。
パルシステムを利用していた時には、
圧搾一番搾りのなたね油は、九州からのお取り寄せでした。
なので、まさか
同じ市内で圧搾一番搾りの油が手に入るなんて!!
奇跡かと思いました。
圧搾一番搾りの油が、どんな風に作られているかというと、
まず、菜種を焙煎して→粉砕し→圧力をかけて絞ります。
黄金色のなたね油がしたたり落ちています。
(写真は、2017年に工場見学をさせていただいたときのもの)
一方、一般的なサラダ油は、
原料の菜種や大豆(ほとんどが遺伝子組み換え品)を
焙煎、粉砕したのちに、
ノルマルヘキサンという
有機溶剤(ベンジンやシンナーの類)を混ぜ、
有機溶剤に油分をむだなく溶かし込み、
その後、溶剤を揮発させて油分を取り分けています。
次に、取りだした油から、不純物を取り除く際に、
リン酸や苛性ソーダ、活性白土などの化学薬品を使いますが、
米澤製油では、お湯のみ。
湯洗い洗浄法できれいにしています。
とってもわかりやすい図解は米澤製油(株)のHPへ
どうですか?
市販の手ごろなサラダ油は、
遺伝子組み換え原料や化学薬品をたくさん使って、
精製されているんですね。
むだなくたくさん作れて、
真っ白いきれいな油に仕上がりますが、
本当に本当に安心で安全なのか、心配になります。
肝心な味わいですが、
圧搾一番搾りのなたね油は、
あっさりと軽くて、胃もたれしにくい油です。
のうカフェのドレッシングの油ももちろんコレです。
脂質は3大栄養素の一つ。
質のいい油を少しだけ摂る、ということです。
ぜひこだわってみてください。
今の投資は、未来の自分(身体)への投資。
決して、高くはありませんよ。