「さしすせそ」の話 ~砂糖~
2021.08.07
今日は、「さしすせそ」のお話の「さ」
「砂糖」についてお話してみたいと思います。
❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁
のうカフェオーナーのプロフィールはコチラから
さしすせその
「し」=塩についてはコチラから
「そ」=味噌についてはコチラから
番外編「油」についてはコチラから
❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁
「お砂糖」
あえて大切に「お」をつけてみました。
「さしすせそ」の調味料は、
「お砂糖」「お塩」「お酢」「お醤油」「お味噌」
と呼ばれることが多いですね。
今となっては単なる丁寧語のように聞こえるかもしれません。
ちょっと昔、それこそ昭和の初めくらいまでは、
この基本の調味料は、
それぞれ手間ひまをかけて作られ、
とっても貴重で生活に欠かせない大切なもの。
美化するための「お」というよりは、
敬うような気持ちで「お」をつけて呼んでいたのかなと思います。
だから、お砂糖も大切な五味の一つなんですよ。
さて、今回は、
〇砂糖のすぐれた点
〇砂糖の危険性
〇のうカフェで使用しているお砂糖
についてお話してみたいと思います。
まずは、砂糖のいい点!
砂糖の最大の特徴は、
「食品を長持ちさせる」ということです。
お家でシロップ漬けなど作りますか?
ものすごい量の砂糖を使いますが、
簡単に言えば、それは長持ちさせるためです!
その他で例えると、、、
パウンドケーキには、小麦粉と同量の砂糖を入れますが、
一週間くらいはカビもでず、意外にしっとり保存できます。
砂糖を減らすと、すぐカビるし、すぐに硬くなります。
あんこも、小豆と同量の砂糖を入れ、同じく一週間くらい保存できます。
半量くらいだと、小豆の風味が勝って健康的にいいのですが、
あまり日持ちはしません。
冷蔵庫で3日くらいでしょうか。
このように砂糖には防腐効果があります。
カビや細菌が生きるために必要な「水」を
砂糖がしっかり抱え込んでくれるためです。
ここで問題です! Question!
水200㏄にどのくらいの砂糖が溶けると思いますか?
①10g
②100g
③1000g
チ、チ、チ、チ、チーン。
答えは、③番です。
なんと1000g=1kg!
すごいでしょ? 砂糖さん。
このようにものすごく水と結合する力があるんです。
・メレンゲの泡が長持ち~♪
・きんとんやあんこがしっとり~♪
・お肉がしっとり~♪
(鳥ハムなど砂糖をぬってから味つけするとしっとり仕上がります)
・ケーキやおもち(すあま)がやわらかいまま~♪
などなど、多方面でいい働きをしてるでしょう?
が、飽食の時代となり
砂糖=ダイエットの敵となって久しいこの頃、
砂糖は、
カロリーが低くて口当たりの軽い「甘味料」に置き換わり、
砂糖の量を減らした分、
保存性を高めるため「保存料」が加わり、
なめらかさを保つため「乳化剤」が加わり、
たくさんの添加物に置き換わってしまいました。
羊羹、甘納豆、フルーツ缶詰、あんこ、きんとん、カステラ、などなど
昔ながらの製法で十分日持ちするものが作れるはずなのに、
添加物まみれの「工業製品」
のような加工品に置き換わってしまったのは悲しい限りです。
続いて、砂糖の危険性についてお話します。
砂糖が、他の調味料とは決定的に違うのは、
中毒性があるという点ではないでしょうか。
実は「塩」には、摂取できる量に上限があります。
身体がもうこれ以上、いらない!とストップをかけるのです。
砂糖には、この上限がないのです。
脳内から、ドーパミンやセロトニン、エンドルフィンなど
幸福感をもたらすホルモンが分泌されるので、
甘いもの=ご褒美
という快感のスパイラルができやすいのです。
小さいころに経験した、
「甘いもの=ご褒美の記憶」が関係していたりもします。
また、甘いものは血糖の急激な上昇と下降を引き起こします。
血糖とは、字のごとく「血液中に流れる糖(ぶどう糖)」のこと。
胃や腸で消化吸収されて、血液中に溶けた糖は、
身体のあちこちに運ばれエネルギーとなります。
空腹時には低く、食事の後には高くなるなど、
常に変化しコントロールされています。
この血糖の変化が、急上昇と急降下
つまりジェットコースターなのです。
こうなると、身体はだるさや疲労感をおこし、
心は浮いたり沈んだり、
砂糖を食べるとハイに、食べないとグロッキーになってしまいます。
そして、急激な下降時に身体は低血糖状態と判断し、
手っ取り早くエネルギー補給を!と甘いものを欲します。
これが、もう一つの依存へのスパイラルです。
余談ですが、この血糖ジェットコースターは、
人類史上5000年のも間、経験したことないレベル。
血糖を上げるホルモンは主に7つあるのに対し、
血糖を下げるホルモンは「インシュリン」1つ。
つまり、人類は飢えには強くできているのです。
ここ40~50年ほどの短い期間におきた環境変化が
いかに劇的か、感じてもらえると思います。
その他に、
ビタミンB1不足、
カルシウム不足、
身体の酸化(老化や癌の発生)、
なども挙げられますが、
詳しい説明は割愛します。
さて、のうカフェでは
3種類のお砂糖を使い分けています。
①粗精糖
精製度の低い茶色いお砂糖です。
種子島産さとうきび100%で、
ミネラル成分が多く含まれています。
お料理全般とぜんざいに使っています。
②上白糖
てんさい糖を精製した、上白糖です。
純度が高いことと、果物の味を損ねないので、
自家製季節のシロップに使っています。
③グラニュー糖
サラサラして溶けやすく、軽い仕上がりになるので
デザートに使っています。
平飼い有精卵のプリンやパウンドケーキなど。
【追記】(←お砂糖に関するのうカフェの考えを追記しました)
のうカフェの考えは、こうです。
厚労省と農水省が策定した「食品バランスガイド」
一度や二度は見たことあるかと思います。
一日に、「何を」「どれだけ」食べたらよいかを
「コマ」の形で分かりやすく示してあります。
コマの芯は「水」
コマの本体は「栄養食品」
ひとつでも崩れるとバランスよく回転しないよ!
ということです。
こちらは解説付き。
「運動」によりコマが安定すること
そして、
「菓子・嗜好飲料はヒモで表現」とあります。
あれば便利、あればバランスがより加速、
てところでしょうか?
なので、時には甘いものを味わうのは、
楽しく幸せなことだと思っています。
嗜み(たしなみ)=嗜好の範囲をこえない程度です。
砂糖の話は、この辺でおしまいにします。
いかがでしたか?
なかなかのボリュームになってしまいました。
医療人なので、身体の生理については外せないけれど、
難しくなりがちなのでわかりやすさに気を付けてみました。
あなたの生活にお役立ていただければ嬉しいです。